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中学生向け読書感想文の書き方 原稿用紙 5枚を効率よくまとめる技

 

読書感想文、書き方、中学生、5枚で検索してこの記事にたどり着いた方は、どのくらいの量を書くべきかや具体的な構成に悩んでいるはずです。

 

中学生の読書感想文は何枚書けばいいのかを確認しつつ、1200字以内の読書感想文はどのくらいかを理解すると、文字数のイメージがつかめます。

 

とくに中学生の読書感想文の原稿用紙:5枚構成を明確にしておけば、5枚も読書感想文が書けないと不安になることは減ります。

 

読書感想文の上手な書き方を身につけるためには、読書感想のメモの取り方を習慣化し、読書感想文の書き始めは何を書くべきかを決めておくことが有効です。

 

読書感想文にあらすじは書くべきかの判断や内容の膨らませ方も押さえ、読書感想文の5W1Hを使って論点を整理しつつ、原稿用紙でのルールとして読書感想文のはじめは何行空けるべきかも確認しておくと安心して書き進められます。

 

この記事ではこれらを順に分かりやすく解説しますので、最終的に原稿用紙五枚分を着実に仕上げる手順とコツがつかめます。

 

 

この記事で得られること

 

  • 原稿用紙五枚分に対応した構成と分量配分が分かる
  • 1200字や2000字の文字数感覚と換算が理解できる
  • 読書中のメモ取りと書き始めの具体的手順が分かる
  • 内容を膨らませる実践的なテクニックが身につく

 

 

 

 

読書 感想文 書き方 中学生 5枚を成功させる基本

 

  • 中学生の読書感想文は何枚書けばいい
  • 1200字以内の読書感想文はどのくらい
  • 中学生の読書感想文 5枚 構成
  • 5枚も読書感想文が書けない時の対策
  • 読書感想文の上手な書き方

 

 

中学生の読書感想文は何枚書けばいい

 

多くの学校で指定される枚数は3枚や5枚など学年や課題によって異なります。

 

中学1年生では原稿用紙3枚を指定されることもありますし、中学後半や高校受験を意識した課題では5枚を求められることが増えます。

 

まずは担任や課題の指示で指定されている枚数を最優先で確認してください。

指定がない場合は、学年相当の目安を参考にして設定します。

 

枚数は課題の評価基準に直結します。

たとえば「原稿用紙5枚」と指定されている場合、あらすじだけで枚数を稼ぐのではなく、感想や考察で十分に文字量を充てることが求められます。

 

指定が「〇枚以上」とされているときは、最低限その枚数を満たすために構成を意識して書き進めると失敗が少なくなります。

 

 

1200字以内の読書感想文はどのくらい

 

原稿用紙換算の基本は1枚=400字です。

 

したがって1200字は原稿用紙約3枚に相当します。下の表は目安としての換算です。

 

 

文字数目安 原稿用紙換算 備考
400字 1枚     小さな課題や短い感想向け
1200字 約3枚     中学生でよくある指定
2000字 約5枚     高校生向けや本格的課題

 

1200字では、序論・本論・結論の3部構成で、序論を短めにして本論で感想や考察を掘り下げる配分が適切です。

 

あらすじは全体の2〜3割程度に抑え、感想が主体であることを意識しましょう。

 

 

中学生の読書感想文 5枚 構成

 

原稿用紙5枚(約2000字)を求められた場合の基本的な配分例は次のとおりです。

 

序論(はじめ)約1枚、本論(なか)約3枚、結論(おわり)約1枚とすることで、読み手に伝わる文章になります。

 

序論では「なぜその本を選んだか」「読む前の印象」「問い」を簡潔に示します。

 

本論では心を動かされた場面を中心に2〜3の観点で段落を分けて詳述します。

 

結論では読書後の学びや今後にどう活かすかを明確にして締めます。

 

枚数が多いため、各段落で扱うテーマをあらかじめ決めておくと冗長にならずにまとまります。

 

各段落ごとに「主張→根拠(場面や引用)→自分の考え」の流れを守ると説得力が上がります。

 

 

5枚も読書感想文が書けない時の対策

 

五枚書かなければならないが量が出ない場合は、次の方法で深掘りしていきます。

 

まず、心を動かされた場面を一つだけで終わらせず、その場面の背景や登場人物の心情、作者の意図という順で切り口を増やします。

 

次に、その場面を自分の経験や身近な出来事と比較して違いを説明することで文字が膨らみます。

 

具体的には

 

「その場面で何が起きたか」

 

「なぜそう感じたか」

 

「自分ならどうしたか」

 

「その学びを今後どう活かすか」

 

という問いを順に答えていきます。

 

さらに、作品のテーマや時代背景、作者の他作品との関連性を短く調べて言及することで客観性と深みが出ます。

 

ただし引用は短く、出典の丸写しを避けて必ず自分の言葉で説明してください。

 

 

読書感想文の上手な書き方

 

上手に書き進めるポイントは計画性と理由の明示です。

 

まずはテンプレートとして序論・本論・結論の見取り図を作り、書くべき要素を箇条書きで洗い出します。

 

次に本論では「感動ポイント」ごとに段落を分け、それぞれでなぜ感動したのかを深掘りします。

 

理由は具体的な描写や登場人物の行動、引用を根拠にして説明すると説得力が増します。

 

文章表現では短い文と長い文を織り交ぜてリズムを作ると読みやすくなります。

 

語尾の統一や漢字仮名遣いのチェック、句読点の位置などは最終段階で必ず確認してください。

 

第三者に読んでもらい意見を取り入れると、客観性が高まり改善箇所が見つかります。

 

 

 

読書 感想文 書き方 中学生 5枚の実践ステップ

 

  • 読書感想のメモの取り方

  • 読書感想文の書き始めは何を書くべきか

  • 読書感想文にあらすじは書くべきか

  • 内容の膨らませ方のコツ

  • 読書感想文の5W1Hの活用法

  • 読書感想文のはじめは何行空けるべきか

  • まとめ|読書 感想文 書き方 中学生 5枚の仕上げ方

 

 

読書感想のメモの取り方

 

読書中にメモを取る習慣は感想文を効率的に書くための基本です。

 

付箋を使って

 

「印象に残った場面」

 

「心に響いたセリフ」

 

「疑問に思った点」

 

「自分の反応」

 

を目印として付けておくと後で見返しやすくなります。

 

ページ番号を書き込んでおくと引用箇所を探す手間が省けます。

 

メモの具体例としては、箇条書きで「場面」「理由」「自分の感想」の3点セットを書いておくと使いやすいです。

 

たとえば「第3章の○○の場面|主人公の決意が明確になった|自分も決断に似た経験がある」といった形です。

 

書き終わったら、メモを項目別に整理して、感想文の本論に対応する素材として配置します。

 

 

メモを活かすコツ

 

メモは詳細すぎても散らかりがちです。

 

付箋は場面ごとに数枚に限定し、重要度の高い箇所だけをマークする癖をつけると効率が上がります。

 

スマホのメモ機能を併用して短い感想や疑問を書き留めると、後で補足説明しやすくなります。

 

 

読書感想文の書き始めは何を書くべきか

 

書き始めは読者の興味を引く導入が大切です。

 

まずは本を選んだ理由や本との出会い、読む前の印象や期待を書きます。

 

具体的な書き出しパターンとしては「問いかけ型」「引用型」「体験結びつけ型」のいずれかが使いやすいです。

 

問いかけ型では冒頭で問題意識を提示し、本を読むことでその答えを見つける過程を示すと読み手の関心を引けます。

 

引用型は本の短い一節を冒頭に置き、それがなぜ印象に残ったかを掘り下げる構成に自然につながります。

 

体験結びつけ型は自分の身近なエピソードを簡潔に述べ、本と自分を結びつけて導入する方法です。

 

 

読書感想文にあらすじは書くべきか

 

あらすじは必要最小限にとどめるべきです。

 

読書感想文の評価ポイントは読書を通して得た考えや気づきなので、あらすじが長くなりすぎると感想が薄まってしまいます。

 

目安としては全体の2〜3割程度に抑え、読んでいない人にも分かる程度の簡潔な紹介にとどめます。

 

重要な場面や引用は、感想の前提として要点だけ取り上げ、本論でその部分に対する自分の考えを深掘りする流れにすると効果的です。

 

結末のネタバレは指示がない限り避けるか、必要な場合は配慮した表現にするのが好ましいです。

 

 

 

内容の膨らませ方のコツ

 

行数や文字数を無理に増やすのではなく、素材の捉え方と説明の深さを高めると、自然に厚みが出ます。

 

膨らませる核は、出来事を多角的に観察し、問いを連鎖させ、具体例で補強することです。

 

次の手順と観点を組み合わせると、一本調子にならず、評価基準に沿った説得力のある文章に仕上がります。

 

1)三層で考える: 事実 → 解釈 → 学び

 

一つの場面を扱うときは、

 

最初に事実(本の中で起きたこと)を一行で示し、

 

次にその事実の意味(自分がどう受け止めたか)を説明し、

 

最後に学び(今後にどう活かすか)へ橋渡しします。



この 「事実 → 解釈 → 学び」 を

 

1セットにして段落を作ると、単なる感想ではなく、根拠のある主張になります。

 

例の流れ:

 

  • 事実:主人公が約束を守るために不利な選択をした

  • 解釈:その選択には短期的損失より信頼を守る価値観が表れている

  • 学び:短い利益より長期的な信用を優先する姿勢を学校生活で試したい

 

2)問いの連鎖で深掘りする

 

一度の「なぜ?」で止めず、

 

三段階ほど掘り下げると内容が豊かになります。



なぜ印象に残ったのか

 

   ↓

 

その背景にどんな価値観や状況があるのか

 

   ↓

 

それは自分の判断基準にどんな変化をもたらすのか、

 

という順で考えると、同じ場面から複数の視点が引き出せます。

 

問いの例:

 

  • この行動で誰が得をし、誰が損をしたのか

  • 作者はどの言葉や描写で読者の感情を動かそうとしたのか

  • 同じ状況で別の選択をした登場人物がいれば、結果はどう違ったか

 

3)レンズ(観点)を増やす

 

同じ出来事でも、観点を変えると説明できる情報が増えます。

 

次のレンズを使い分けると、段落ごとにテーマがぶつからず整理できます。

 

  • 登場人物の目的や葛藤(目的/障害/選択のコスト)

  • 作者の意図(章タイトル、比喩、語り手の視点変化)

  • 作品の文脈(時代背景、文化、社会的テーマ)

  • 構成・技法(伏線、対比、反復、象徴)

  • 影響と波及(その場面が物語全体に与えた効果)

 

4)具体化と比較で厚みを出す

 

抽象語は必ず具体例とセットにします。

 

例えば「友情が深い」ではなく、「約束を破れないとわかっていながら不利な選択をした」という事実を添えます。

 

さらに、似た別場面や別人物との比較を加えると、特徴が際立ちます。

 

-対比の型:以前/以後、理想/現実、本人の言葉/行動、主要人物/脇役

 

-変化の描写:変わる前の状態→出来事→変化後の行動や言葉

 

5)引用は短く、理由を長く

 

引用は要点が伝わる最小限(目安として一文程度)にとどめ、その言葉が示す性格・価値観・場面の転換点などを自分の言葉で説明します。

 

引用が「何を証明しているのか」を明確にすれば、文字数は根拠の説明に充てられ、内容の密度が上がります。

 

6)段落の型を固定する

 

毎段落で構造をそろえると、迷いなく書き進められます。

 

  • 1文目:主張(この段落で言いたいこと)

  • 2〜3文目:根拠(場面の事実や短い引用)

  • 4〜5文目:解釈(なぜそう言えるのか、他の読み方との比較)

  • 末文:学びや次段落への接続(自分や社会への示唆)

 

7)観点別の深掘り質問と書き方の例

 

観点 深掘り質問 書き方のヒント
登場人物 目的は何で、何が邪魔だったか 目的/障害/選択のコストを一文ずつ示す
作者の意図 どの描写で感情を動かしているか 比喩・反復・対比を具体語で指摘する
時代背景 当時の常識が判断にどう影響したか 背景を一文で要約し、行動の理由に結ぶ
構成技法 この場面は全体のどの転換点か きっかけ→クライマックス→余韻の位置づけ
影響と波及 この出来事後に何が変わったか 前後の言動差を具体動作で示す

 

 

8)情景を描いてから意味を語る

 

情景描写は、五感のうち二つ以上を入れると一気に具体化します。

 

色、音、手触り、温度など短い語を選び、あとから意味づけを行います。

 

例:冷たい雨、途切れる足音、濡れた封筒――と並べてから、「迷いの長さ」を象徴している、と解釈につなげます。

 

9)抽象化→再具体化の往復

 

一度、抽象的な言葉(誠実、責任、自由など)でまとめ、すぐに別の場面や別人物の具体例に戻ると、論が循環せず前に進みます。

 

抽象化の一文は「つまり」「要するに」を避け、「この選択を支えた価値は〜である」と言い換えると自然です。

 

10)文字数配分の目安(5枚=約2000字想定)

 

  • 序論:200〜300字(問題意識とテーマ提示)
  • 本論:1400〜1500字(場面2〜3個×各段落450〜700字)
  • 結び:300〜400字(学びと今後の行動)

 

各場面の段落は「事実80〜120字/根拠と解釈250〜400字/学び80〜150字」を目安にすると、感想が主役の配分を保てます。

 

11)伸び悩んだときの具体的テコ入れ

 

  • 視点をずらす:主人公ではなく脇役や語り手、あるいは物(手紙、雨、鍵)に視点を当てる
  • 時間を引き延ばす:一分間に起きた出来事を一段落で詳細化する
  • もしもの比較:別の選択肢AとBを仮定し、結果の差を論じる
  • 語の言い換え:抽象語を具体動作に変換(優しさ→傘を差し出す、のように)

 

12)冗長さを防ぐ削ぎ落とし基準

 

  • 主張と無関係な固有名詞は削る

  • 同じ意味の言い換えが連続していれば短い方を残す

  • 「〜と思いました」より、「〜と考えた理由」を一文で置き換える

  • 段落末尾は新情報で締め、あいさつ文や感情の反復で終えない

  •  

13)接続表現のバリエーション

 

単調さを避けるため、次の表現を使い分けます。



一方で/とりわけ/これに対して/そのため/ゆえに/にもかかわらず/ここから言えるのは/以上を踏まえると

 

このように、場面を事実・解釈・学びで束ね、問いを連鎖させて複数のレンズで照らすと、必要な文字数を満たしながら内容の密度も高められます。

 

引用は短く、説明は具体的に、段落の型は一定に

 

この三点を守ると、読む側に明確な道筋が示され、評価につながる文章になります。

 

 

 

読書感想文の5W1Hの活用法

 

5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)は、読書感想文の「事実整理」と「掘り下げ」を同時に進めるための有力なフレームワークです。

 

単に出来事の整理に使うだけでなく、感想文の各段落を論理的に組み立て、説得力ある考察へと発展させる道具として活用できます。

 

本項では、実践的な使い方、段落ごとの展開法、深掘りのための問いかけ例、推敲チェックまで、具体的かつ網羅的に説明します。

 

1)まずは「一行の要約」を作る

 

感想で取り上げたい場面や出来事を選んだら、5W1Hを使ってまず一行で要約します。

 

これにより、その段落で何を論じるかが明確になります。

 

例(テンプレート)誰が/何を/いつ/どこで/なぜ/どのように

誰が:主人公、何を:学院祭でスピーチをした

いつ:最終日の夕方、どこで:体育館

なぜ:仲間を励ますため

どのように:緊張を押し殺して静かに語った

 

この一行を段落冒頭のキーメッセージとして置くと、読み手は状況をすばやく把握でき、その後の分析に集中できます。

 

2)各要素を「深掘りする項目」として扱う

 

一行要約を作ったら、各5W1H要素を下のように掘り下げて文章にします。

 

ここで重要なのは

 

「事実の説明」→「理由や背景の分析」→「自分の考察(評価・示唆)」

 

という流れを保つことです。

 

・誰が(登場人物の性格や立場)

 - 登場人物の年齢、役割、人間関係、性格の特徴を簡潔に示す

 - その人物の行動が物語全体やテーマにどう結びつくかを記述する

 

・何を(出来事の内容)

 - 事実の時系列を簡潔にまとめる(過度なあらすじは避ける)

 - 重要な描写や会話を短く引用し、出来事の核を示す

 

・いつ・どこで(場面設定)

 - 時間や場所が物語に与える意味(雰囲気、制約、象徴性)を分析する

 - 例:夜間の場面は孤独感を強調する等、設定が感情に与える影響を解説

 

・なぜ(動機・原因)

 - 登場人物がその行動を取った心理的・社会的理由を検討する

 - 作者の意図や時代背景、価値観との結びつきもここで論じる

 

・どのように(方法・表現)

 - 行動の仕方や描写手法(比喩、語り手の視点、文体)を分析する

 - その表現が読み手に与える効果(共感、違和感、驚き)を説明する

 

各要素ごとに「事実→分析→考察」の構成を守ると、ただの説明に終わらず読み応えのある段落になります。

 

3)段落の具体的な書き方と文字配分の目安

 

とくに原稿用紙5枚(約2000字)を想定する場合、1つの主要場面を扱う段落の構成と文字数の目安は次の通りです。

 

・冒頭の5W1H一行要約:20~40字程度

・事実説明(誰が・何を・いつ・どこで):80~150字程度

・分析(なぜ・どのようにの深掘り):150~300字程度

・自分の考察(学び・今後への示唆):80~150字程度

 

この配分を守ると、1段落あたりおおむね400〜700字になり、3~4段落で本論を構成すれば5枚分の分量を確保しつつ論理的に展開できます。

 

ただし作品や扱うテーマの深さに応じて調整してください。

 

4)「なぜ」と「どのように」を掘り下げる方法

 

感想文で差がつくのは、原因分析(なぜ)と表現分析(どのように)です。

 

ここでの具体的な問いかけ例を示します。

 

・なぜの切り口例

 - 登場人物の過去や価値観がその行動をどう決定づけたか

 - 社会的・時代的背景は行動にどのように影響したか

 - 作者がその動機を描写することで何を読者に問いたいのか

 

・どのようにの切り口例

 - 描写(視覚・聴覚・触覚)や比喩表現はどのように用いられているか

 - 視点(一人称・三人称・全知の語り)や時制の使い方は感情移入にどう影響するか

 - 会話文や沈黙の扱いが登場人物像にどんな効果を与えているか

 

これらの問いに答える際は、具体的な引用(短い一節)や場面描写を根拠にして自分の解釈を支えることが重要です。

 

引用は短く(20~30字程度が目安)、ページや章を明示すると説得力が増します。

 

5)アウトライン作成と段落割りへの応用

 

5W1Hは「段落ごとの見取り図」を作るのに最適です。感想文を書く前に次の手順でアウトライン化してください。

 

  1. 扱う場面を3つ程度選ぶ(序論で設定した問いに直結するもの)

  2. 各場面について5W1H一行要約を作る

  3. 一行要約を基に、段落ごとに「事実」「分析」「考察」のメモを箇条で作成する

  4. 各段落の役割(導入・比較・深化・結論への橋渡し)を明確化する

 

この方法により、あらすじに偏ることなく、感想や考察に十分な文字数を割くバランスが取れます。

 

6)推敲のチェックリスト(5W1Hベース)

 

書き終えたら、下のチェック項目で見直します。チェックは文書全体だけでなく各段落ごとに行ってください。

 

  • 各段落の冒頭に5W1Hの要点が短く示されているか
  • その段落で「なぜ(原因)」と「どのように(表現)」を最低一つ以上扱っているか
  • 引用や具体例があり、主張の根拠になっているか
  • 各段落が全体の問い(導入で提示したテーマ)に戻る働きをしているか
  • あらすじ説明が全体の2〜3割に収まり、分析が主体になっているか

 

これらを満たしていれば、論理性と説得力のある感想文になっているはずです。

 

7)実践例(テンプレート)と使い回しのヒント

 

最後に、実際に使えるテンプレートを示します。

 

段落冒頭に一行要約、その後に続く文の例です。

 

段落冒頭(要約)



誰が:〜/何を:〜/いつ:〜/どこで:〜/なぜ:〜/どのように:〜

 

本文(展開例)



まず、〜は(誰が・何を)という出来事を通して〜という状況に置かれます。

 

その背景には〜という事情や価値観があり、これが(なぜ)〜という選択につながったと考えられます。

 

作者はここで〜という表現(比喩/語りの視点/会話)を用い、読者に〜と感じさせる効果を狙っています。

 

したがって、この場面は〜というテーマを浮かび上がらせ、私たちに〜を示唆します。

 

このテンプレートを場面ごとに繰り返し使い、最後に全体の問いへの回答や今後の示唆につなげると、まとまりのある長文が書けます。

 

5W1Hは単なる整理ツールではなく、読書感想文を分析的に深め、教師に評価されやすい論理構成を支えるフレームワークです。

 

場面の選び方、要約の精度、分析の深さの三点を意識して繰り返し使えば、分量だけでなく内容の質も高められます。

 

ぜひ段落作成と推敲の両段階で5W1Hを活用してください。

 
 

読書感想文のはじめは何行空けるべきか

 

原稿用紙での基本ルールに従うと見栄えが良く読みやすくなります。

 

題名は上段から2〜3マス空けて書き、本文の始まりは段落ごとに一マス下げて書き出すのが一般的です。

 

氏名は題名の下の指定位置に合わせ、学校の指示がある場合はそれに従ってください。

 

会話文の扱い方や句読点の位置にも注意が必要です。

 

句点や読点が行頭に来ないように前行の最後に配置するなどの原稿用紙ルールを守ると、読み手にとって読みやすい原稿になります。

 

清書前に原稿用紙のルールを確認する時間を必ず確保してください。

 

 

まとめ|読書 感想文 書き方 中学生 5枚の仕上げ方

 

原稿用紙五枚分は約二千字なので構成と段落配分を事前に決めておくこと



序論では本を選んだ理由と読む前の問いを明確に示すこと



あらすじは全体の二割程度に抑えて感想を主体にすること



本論は印象に残った場面を二三点選び理由を深掘りすること



場面ごとに登場人物の行動と作者の意図を分けて考察すること



具体例や自分の体験を結びつけて独自性を出すこと



引用は短く正確にし必ず自分の言葉で解説すること



文章は主張根拠感想の順で一段落をまとめること



言葉遣いや語尾の統一を最終チェックで必ず行うこと



原稿用紙の書き方ルールを守り清書前にチェックすること



時間があれば一晩寝かせてから推敲し改善点を反映すること



第三者に読んでもらい客観的な指摘を受け入れること



5W1Hを使って場面整理を行うことで論理的に書けること



題名は内容を端的に表す言葉を選び興味を引くこと



締めでは学びと今後の行動につなげて読後感を残すこと

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