本棚の奥行きが余る悩みに!収納倍増&おしゃれ活用術

いつもありがとうございます。ユモカンパニーです。
ご自宅にあるカラーボックスや本棚を見て、「なんでこんなに奥がスカスカなんだろう?」と首をかしげたことはありませんか?
一般的な家具の奥行きは約30cmあるのに対し、文庫本やコミックはもっと薄いですよね。
そのため、手前にポッカリと謎の空間が生まれてしまいます。
この「余白」は、放置するとホコリが溜まる温床になったり、ついつい鍵や小物を無造作に置いてしまって散らかった印象になったりと、意外に厄介な存在です。
でも実は、この「余った空間」こそが、収納力を劇的にアップさせたり、お部屋をセレクトショップのように演出したりするための宝の山だったりします。
私自身、かつてはこのデッドスペースに悩まされていましたが、発想を転換して活用することで、溢れかえっていた本をスッキリ収めることに成功しました。
- カラーボックスと本のサイズ違いが生むデッドスペースの原因と数値を理解できる
- 100均グッズや牛乳パックを使った、お金をかけない段差収納の具体的な作り方がわかる
- お気に入りの本をインテリアとして魅せるディスプレイ収納の手法を学べる
- 大切な本をカビや湿気から守りつつ、スペースを最大化するプロのコツを習得できる
本棚の奥行きが余る原因とデッドスペース活用法
そもそも、なぜこれほどまでに「奥行きが余る」という現象が日本の住宅で頻発するのでしょうか。
まずはその根本的な理由を数字で把握してみましょう。
その上で、余ったスペースを物理的に活用して収納量を倍増させる具体的なテクニックをご紹介します。
カラーボックスと文庫本のサイズ不一致
多くのご家庭で「とりあえず」と選ばれるカラーボックスや一般的なオープンラック。
これらはA4ファイルの収納や、市販のインナーボックスとの互換性を最優先に設計されています。
そのため、業界標準として奥行きが29cm〜30cm程度で作られています。
これに対して、私たちが普段読む文庫本や新書、コミックの奥行き(幅)はもっとコンパクトです。
サイズの違いを表にまとめてみました。
| 本の種類 | 一般的な奥行き(幅) | 30cm棚での余りスペース |
|---|---|---|
| 文庫本 | 約105mm | 約195mm |
| 新書・コミック | 約115mm | 約185mm |
| 単行本(B6) | 約130mm | 約170mm |
| A5版(学術書等) | 約150mm | 約150mm |
ご覧の通り、文庫本を普通に並べると、棚の約65%が「空気」として無駄になっている計算になります。
15cm〜20cmもの空間があれば、もう一冊余裕で置けてしまいますよね。
この不整合こそが、諸悪の根源なのです。
このサイズの違いについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、本の規格についてさらに深く知りたい方はぜひご覧ください。
ポイント
この「約15cm〜20cmの空白」をどう扱うかが、収納上手になるか、「ただの物置」になるかの分かれ道です。
前後2列で収納力を倍増させるコツ
最もシンプルかつ効果的な解決策は、本を「前後2列」に並べることです。
これだけで単純計算、収納量は2倍になります。
しかし、何も考えずにただ前後に並べただけでは、後列の本が完全に見えなくなってしまいます。
そうなると、存在を忘れてしまう「死蔵(デッドストック)」のリスクが高まります。
そこで重要になるのが、「後列を少し高くする」という視認性の確保です。
なぜ「段差」が必要なのか
人間の脳は、見えないものを記憶から消去するようにできています。
「あの本、どこいったっけ?」と探す手間を省くためにも、後列の背表紙のタイトル部分が少しでも見えるようにしておくことが必須です。
目安として、後列を3cm〜5cmほど持ち上げると、タイトルが綺麗に見えるようになります。
これだけで、ライブラリーとしての機能性が格段に向上します。
100均グッズで奥の本を見やすくする
手軽に段差を作るなら、100円ショップのアイテムが優秀です。
ダイソーやセリアなどで販売されている「ブックスタンド(コミックスタンド)」や「2段式収納ボックス」を使ってみてください。
これらは最初から段差がついた構造になっており、置くだけで即座に前後収納が完成します。
選ぶ際の注意点として、以下のポイントを確認してください。
- 紙製よりプラスチック製: 紙製は湿気を吸いやすく、強度が低いため、長期保管にはプラスチック製が推奨されます。
- 底面の幅: お持ちの本棚の奥行きと、グッズの奥行きが合っているか必ずメジャーで測りましょう。
ただし、既製品にはサイズが決まっているというデメリットがあります。
「持っている本棚の幅に微妙に合わない」「高さが足りない」といったことも多いですよね。
そんな場合は、次に紹介するDIY手法がベストソリューションです。
牛乳パックで手作りする段差スタンド
私が個人的に最強だと思っているのが、飲み終わった「牛乳パック」を使った自作の段差スタンドです。
コストは実質0円ですし、驚くほど強度が強いんです。
なにより、棚の幅に合わせてシンデレラフィットさせることができます。
「牛乳パックなんて潰れないの?」と思われるかもしれませんが、正しい作り方をすれば木材並みの強度が出ます。
作り方の手順をご紹介します。
最強の牛乳パック台座の作り方
- 洗浄・乾燥: 牛乳パック(1000ml)を綺麗に洗い、完全に乾かします。
- 詰め物の作成: 新聞紙を見開き1枚分用意し、縦に三つ折りにします。それを端からキツく巻いて「硬い円柱(のり巻き状)」を作ります。
- 充填: 作った新聞紙の柱を、牛乳パックの中にギチギチに詰め込みます。1パックあたり新聞紙3〜4日分くらいが目安です。
- 成形: 注ぎ口部分を平らに折りたたみ、ガムテープで固定して直方体にします。
- 連結: 必要な個数を作成し、ガムテープで横に連結して「長い棒状」にします。
この「中身の詰まった牛乳パック」は、上からの荷重に対してものすごい耐性を発揮します。
文庫本を数十冊乗せてもビクともしません。
汚れたら気軽に捨てられるのも、嬉しいメリットです。
スライド式収納で取り出しやすくする
「奥の本を取るために、手前の本をいちいち全部どかすのが面倒」
そう感じる方は、手前の列を固定せず、「スライド式」にするのが正解です。
方法は簡単です。
手前の本を直置きせず、100均の「トレー」や「収納ケース」、あるいは取っ手付きのストッカーに入れてから配置するだけ。
これにより、本を1冊単位ではなく「ブロック単位」で動かせるようになります。
スムーズに動かすための「15パズル」理論
ここで重要なのが、棚の横幅いっぱいに詰め込まず、必ずトレー1個分の空きスペース(バッファ)を作っておくことです。
空きスペースがないと、結局トレーを取り出さなければなりません。
しかし、1つ分の空きがあれば、昔遊んだ「15パズル」のように、手前のトレーを左右にスライドさせるだけ。
これだけで、奥の任意の本に簡単にアクセスできるようになります。
底面がフラットで滑りやすいトレーを選ぶのがコツです。
本棚の奥行きが余るスペースのおしゃれな使い方
収納量を極限まで増やすだけが正解ではありません。
余った奥行きを「余裕」と捉え、あえて空間を楽しむディスプレイ収納に挑戦してみるのもおすすめです。
本がギュウギュウに詰まった棚よりも、視覚的な圧迫感が減り、お部屋の雰囲気がグッと良くなります。
手前を飾り棚にするディスプレイ収納術
おしゃれな書店やカフェの棚を思い出してみてください。
表紙を見せて飾る「面陳(めんちん)」が、空間を華やかにしていますよね。
本棚の奥側には通常通り背表紙を見せて本を並べ、手前の空いた10cmほどのスペースを活用します。
ここにお気に入りの画集や、表紙が美しいデザイン書を立てかけてみましょう。
これには2つの大きな効果があります。
- 目隠し効果: 奥にある雑多な背表紙や、日焼けさせたくない本を隠すことができます。
- インテリア効果: 季節や気分に合わせて手前の本を変えるだけで、部屋の模様替えになります。
また、本だけでなく、小さなフィギュアや観葉植物、時計などの「異素材」を置くのも素敵です。
奥行きがあるからこそ、立体物を置いても安定感が出ます。
奥の本を背景(書き割り)に見立てた、ジオラマのような演出も楽しめますよ。
ニトリや無印良品のアイテム活用事例
DIYが苦手な方は、既製家具のオプションパーツを活用するのも賢い手です。
例えば、人気のニトリ「Nクリック」シリーズなどは、追加の棚板が別売りされています。
奥行きが余る場合、前後2列にするのではなく、棚板を増やして「段数」を増やすというアプローチも非常に有効です。
通常、本棚の各段は高さ30cm程度ありますが、文庫本なら高さ15cmあれば入ります。
棚板を追加して高さを文庫本ギリギリまで狭めれば、積み重ねることなく収納量を増やせます。
すべての本の背表紙が常に見える状態をキープできるため、蔵書管理の観点からは最も理想的な形と言えます。
ファイルボックスで隠す収納を実現
「背表紙の色がバラバラで落ち着かない」
「読み終わった古い本を隠したい」
という場合は、無印良品やニトリのA4ファイルボックス(スタンドタイプ)を手前に並べてみましょう。
これらのファイルボックスは奥行きが約32cmあるものが多く、一般的なカラーボックスの奥行きとほぼ一致します。
これらをズラリと並べると、本棚の前面がフラットな壁のようになり、見た目が劇的にスッキリします。
普段読まない本や、長期保管したい本を奥に入れ、手前にファイルボックスを置いて日用品や書類を入れる。
いわば「壁を作る」スタイルです。
長期的な保管方法や、本を傷めないコツについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
湿気やカビを防ぐための詰め込みすぎ対策
ここまで様々な収納技を紹介してきましたが、一つだけ絶対に注意していただきたいことがあります。
それは、「詰め込みすぎ」による通気性の悪化です。
前後2列にギッシリと本を詰め込むと、空気の通り道がなくなり、湿気がこもりやすくなります。
特に日本の住宅は湿気が多く、大切な本があっという間にカビの餌食になってしまうこともあります。
紙は湿気を吸う性質があるため、密集させると互いに水分を渡し合ってしまうのです。
カビ対策の鉄則3ヶ条
- 背面の隙間: 本棚を壁にピタリとつけず、数センチの隙間を空けて空気が流れるようにする。
- 除湿アイテム: 奥の列には「すのこ」を敷いて底上げしたり、隙間に除湿剤(シリカゲル等)を置いたりする。
- 風通し: 定期的に(晴れた日などに)手前の本を動かして、奥へ新鮮な空気を送り込む。
もし「久しぶりに奥の本を出したら、なんだかカビ臭いかも?」と感じたら、以下の記事を参考に対処してみてください。
早めの対処が被害を最小限に食い止めます。
本棚の奥行きが余る悩みを解決して快適に

本棚の奥行きが余る問題は、見方を変えれば「収納を工夫する余地がたっぷりと残されている」ということです。
収納量を重視してダブルスタッキングにするもよし、見た目を重視してディスプレイコーナーにするもよし。
大切なのは、何も考えずに奥へ押し込んでしまわないことです。
「ここは2列にする場所」「ここは飾る場所」とルールを決めて、ぜひあなただけの快適で機能的な読書空間を作ってみてくださいね。