スラムダンクあれから10日後と完全版の違いは?新装版未収録も解説

いつもありがとうございます。ユモカンパニーです。
映画『THE FIRST SLAM DUNK』の歴史的ヒットから時間が経っても、あの熱狂が冷めることはありません。
むしろ、映画を見終わった後に「彼らの続きをもっと知りたい」「インターハイの後の日常が見たい」という渇望感に襲われているファンの方は多いのではないでしょうか。
しかし、いざその後の物語を読もうと検索してみると、「完全版」や「新装再編版」など似たような名前のバージョンがいくつもあって、どれに何が収録されているのか非常に分かりにくいのが現状です。
「せっかく全巻セットを買ったのに、読みたかったエピソードが入っていなかった…」なんていう悲劇は絶対に避けたいですよね。
特に、幻の黒板漫画「あれから10日後」がどこで読めるのかという疑問は切実です。
※ネタバレ注意:
本記事の後半では、「あれから10日後」で描かれる宮城リョータや桜木花道の「その後」について一部触れています。
該当箇所は「クリックで開く」形式で隠してありますが、予備知識なしで楽しみたい方はご注意ください。
この記事では、古書や漫画のバージョン違いに詳しい私が、複雑な出版状況を整理し、あなたが求める感動に最短で辿り着けるようお手伝いします。
この記事のポイント!
- 完全版コミックスや新装再編版に「10日後」が収録されていない理由
- 雑誌Switch版と大型本完全版の決定的な違いとそれぞれの楽しみ方
- 2025年の電子書籍解禁に向けたデジタルとフィジカルの使い分け戦略
- 映画ファン必見の宮城リョータや桜木花道のその後を描いた描写の魅力
あれから10日後と完全版の違いを徹底比較
まず結論から申し上げますと、「スラムダンク」の世界には「完全版」と呼ばれる商品が2種類存在します。
これが最大の混乱の原因です。
一つは全24巻の漫画コミックス(A5判)、もう一つはイベントの黒板漫画を収録した超大型本(A3変型判)です。
ここでは、多くの人が誤解しやすいポイントを中心に、それぞれの仕様や収録内容の差異を明確にしていきます。
新装再編版には収録されていない事実
これからスラムダンクを揃えようとする方が一番手に取りやすいのが、2018年に発売された「新装再編版(全20巻)」ではないでしょうか。
井上雄彦先生による描き下ろし表紙が魅力的で、物語の区切りごとに再編集されているため、一気読みに最適なシリーズです。
しかし、ここで最も注意が必要なのは、新装再編版には「あれから10日後」のエピソードは一切収録されていないという点です。
「新装版」や「再編版」という名前の響きから、追加エピソードや特典が含まれていると期待してしまう気持ちは痛いほどわかります。
ですが、このシリーズはあくまで「本編(第1話から山王戦終了後の最終回まで)」を新たな構成で再パッケージしたものです。
もし、あなたが映画の続きや最終回のその後のエピソードを求めてこの全20巻を購入したとしても、その目的を果たすことはできません。
購入前にこの事実を知っておくことが、ミスマッチを防ぐために何より重要です。
注意:書店やネットショップで「全巻セット」を買っても、幻の10日後は読めません。
それは完全に独立した別の書籍として販売されています。
雑誌Switch特集号と大型本の内容
「あれから10日後」を読むための主な手段は、2005年に発売されたカルチャー誌『Switch』の特集号か、2009年に出版された大型本『あれから10日後 完全版』の二択になります。
これらは収録されている「絵」自体は同じですが、その役割は大きく異なります。
『Switch』版(Vol.23 No.2)は、イベント直後の熱気を伝える「ドキュメンタリー」としての側面が強いです。
黒板漫画だけでなく、会場となった旧神奈川県立三崎高校の校舎の風景や、並んでいるファンの姿。
そして井上先生が「なぜ黒板に描いたのか」を語ったロングインタビューが掲載されています。
当時の空気感や、プロジェクトの裏側を知りたい方にはたまらない一級資料です。
一方、大型本の『完全版』は、純粋に「作品」を楽しむための「美術書」です。
余計な解説テキストや写真は極力削ぎ落とされ、黒板の絵だけがページいっぱいに広がっています。
物語の世界にどっぷりと浸かりたいなら、間違いなくこちらの大型本がおすすめです。
黒板アートを再現したサイズや紙質

大型本『あれから10日後 完全版』の最大の特徴は、その圧倒的なサイズ感です。
A3変型判(約300×420mm)という巨大な判型を採用しており、見開きにすると幅約60cmにもなります。
これは、実際の黒板の迫力を再現するためにあえて選ばれたサイズです。
紙質にも徹底的なこだわりがあり、光の反射を抑えた厚手のマット紙が使われています。
これにより、チョークの粉の質感や、黒板消しで消した跡の「白っぽい汚れ」、重ね塗りされたチョークの厚みまでもがリアルに感じ取れるのです。
スマホやタブレットの画面では絶対に味わえない、フィジカルな読書体験がここにあります。
ただし、その大きさゆえに「本棚に入らない」という悩みも発生します。
一般的なコミックスや雑誌とは全く異なる規格外のサイズなので、収納場所には事前の計画が必要です。
以下の記事では、様々な本のサイズについて解説しています。
この大型本がいかに規格外か、比較してみるのも面白いかもしれません。
コミックス全巻セットとの決定的な差
ここで改めて整理しておきたいのが、コミックスの『SLAM DUNK 完全版(全24巻)』との違いです。
こちらは2001年から2002年にかけて発売されたワイド版のコミックスで、ジャンプ連載時のカラーページが完全再現されているのが最大の売りです。
名前が同じ「完全版」なので非常に紛らわしいのですが、このコミックス版が出たのは「あれから10日後」のイベント(2004年)よりも前です。
つまり、時系列的に考えても、コミックスの完全版に10日後のエピソードが収録されているはずがないのです。
| 比較項目 | コミックス完全版 (全24巻) | あれから10日後 完全版 (1冊) |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2001年 – 2002年 | 2009年 |
| 収録内容 | 本編(第1話〜最終話) | イベント黒板漫画のみ |
| カラー | 連載時カラー再現 | 全ページフルカラー印刷 |
この2つは名前こそ似ていますが、全く別の目的で作られた商品です。
両方を揃えることで初めて「本当の意味での完全版」になると言えるでしょう。
新品定価と中古市場の値段相場
気になる価格についてですが、大型本『あれから10日後 完全版』の定価は2,200円(税込)です。
美術書のような圧倒的なクオリティとサイズを考えると、個人的にはかなり良心的な価格設定だと感じます。
市場の流通状況ですが、新品は重版のタイミングによって在庫があったりなかったりします。
新品在庫が切れると、Amazonなどのマーケットプレイスでは3,000円〜5,000円ほどのプレミア価格になる傾向があります。
この「いつでも買えるわけではない」という希少性が、ファンの所有欲を刺激しています。
一方、中古市場では状態の良いもので定価に近い1,900円〜2,500円前後で取引されています。
ただし、サイズが大きいため送料が高くなりやすく、結果的に新品と変わらない出費になることもあります。
書店で新品を見つけたら、その場で確保すべき「即買い推奨」の一冊です。
あれから10日後と完全版の違いで選ぶ正解
違いがわかったところで、次は「あなたの目的」に合わせて、どのバージョンを手に取るべきか、そして物語をどう楽しむべきかを深掘りしていきます。
特に映画から入ったファンの方や、2025年の動向が気になる方へのアドバイスをまとめました。
映画の続きとして宮城リョータのその後
映画『THE FIRST SLAM DUNK』で実質的な主人公として描かれた宮城リョータ。
彼がその後どうなったのか、気になっている方は多いはずです。
「あれから10日後」では、まさにその答えの一部が描かれています。
⚠️ ネタバレを読む(クリックで開閉)
赤木キャプテンが引退し、新キャプテンとしての重圧を感じながらも、彼らしくチームを引っ張ろうとする姿。
鬼キャプテンになるための本(リーダーシップ論)を真剣に読んでいる描写は、映画で描かれた彼の繊細な内面や過去とリンクして、より深く感情移入できるはずです。
映画の感動をそのままに、彼らが歩み始めた新しい日常を覗き見ることができるのは、この作品だけの特権です。
桜木花道のリハビリ姿などをネタバレ
詳しい内容は実際に読んで確かめていただきたいですが、少しだけ触れると、山王戦で背中に選手生命に関わる怪我を負った桜木花道の姿もしっかりと描かれています。
⚠️ ネタバレを読む(クリックで開閉)
「天才」を自称する彼のメンタルは健在で、リハビリという過酷な現実の中にも、彼らしい明るさと未来への希望が満ち溢れています。
また、流川が自転車に乗りながら英語の勉強を始めていたり、三井が冬の選抜に向けて早朝練習していたりと。
それぞれのキャラクターが「次のステージ」を見据えて動いている様子は、読んでいるこちらまで前向きな気持ちにさせてくれます。
派手なダンクや試合シーンはありません。
しかし、ここにあるのは静かで力強い「日常の継続」であり、ファンにとってはどんな試合よりも熱いメッセージとなるはずです。
2025年の電子書籍化とKindle対応

スラムダンクといえば、長らく電子書籍化されていないことでも有名でしたが、2025年に向けて大きな動きが報じられ、ついに本編が電子解禁される可能性が高まってきました。
しかし、ここで冷静に考えるべきは、「あれから10日後」も同時に電子化されるか?という点です。
著者の井上雄彦先生は、この作品を「黒板」というアナログな媒体で表現することにこだわりました。
そのザラッとした質感や空気感をデジタル画面で再現するのは非常に困難です。
電子書籍には「場所を取らない」「いつでも読める」という大きなメリットがありますが、所有権の概念などは紙の本と異なります。
以下の記事でも解説していますが、私はこの「10日後」に関しては、たとえ電子化されたとしても、紙の本としての価値が残り続けると考えています。
むしろ、デジタル全盛の時代だからこそ、ページをめくる手触りも含めて作品の一部と言えるでしょう。
(出典:INOUE TAKEHIKO ON THE WEB)
資産価値が高いのはどのバージョンか

コレクター視点で考えると、雑誌『Switch』の2005年2月号と、大型本『あれから10日後 完全版』は、どちらも持っておくべき資産価値があります。
特に雑誌は紙が劣化しやすく、状態の良いものは年々市場から減っていきます。
当時の熱量をそのまま保存しているという意味で、資料的な価値は計り知れません。
一方、大型本はその造本自体の美しさから、インテリアとして飾る(ディスプレイする)ファンも多いです。
大切なコレクションを長く楽しむためには、湿気や日焼けから守る保管方法も重要です。
以下の記事では、本を傷ませないための収納術を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
あれから10日後と完全版の違いまとめ

最後に、今回のポイントを整理しましょう。
| バージョン名 | 「10日後」 | 特徴・おすすめな人 |
|---|---|---|
| 新装再編版 (全20巻) | × 未収録 | 全巻描き下ろし表紙が魅力。これから本編を新鮮な気持ちで一気読みする人に最適。 |
| コミックス完全版 (全24巻) | × 未収録 | 連載時のカラーを完全再現。当時のジャンプの熱量をそのまま感じたい人におすすめ。 |
| あれから10日後 完全版 | ○ 完全収録 | 黒板漫画専用の大型本。映画の続きや物語の「真の完結」を知りたい全ての人へ。 |
結論として、物語の「真の完結」を見届けたいなら、『スラムダンク あれから10日後 完全版』(大型本)を購入するのが唯一の正解です。
どのバージョンを買うか迷っている時間はもったいないです。
本編を読み終えたその足で、ぜひこの黒板漫画の世界に飛び込んでみてください。
彼らはまだ、そこに生きています。