塩野七生の読む順番は?若い頃を知ればローマ人の物語がもっと面白い
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歴史小説の分野で高い評価を受けてきた、塩野七生さんの作品に興味があるけれど、著作があまりに多くてどれから読む順番を決めればいいのか迷ってしまう、ということはありませんか。
特に代表作である『ローマ人の物語』は単行本で全15巻。
文庫本で全43巻というボリュームに圧倒されてしまい、途中で挫折してしまうのではと不安になる方も多いですね。
最近では「1ヶ月に1冊も本を読まない」という人が6割を超えるというデータもあります(出典:文化庁『令和5年度 国語に関する世論調査』)。

そんな時代だからこそ、貴重な時間を費やして読む本選びには失敗したくないものです。
また、彼女がどのような若い頃を過ごし、イタリアという地で独自の視点を培ったのかを知ることで、作品の味わい深さが格段に変わってきます。
この記事では、初心者でも安心して楽しめるおすすめのルートや、文庫本で揃える際のポイントなどを詳しく解説します。

この記事のポイント!
- 塩野七生作品を挫折せずに読み通すための最適な順番がわかる
- 『ローマ人の物語』全巻に挑む前に読むべき入門書が見つかる
- 作家の若い頃やイタリアでの経験が作品に与えた影響を理解できる
- 文庫本で全巻を揃える際の冊数や費用の目安を把握できる
作家・塩野七生の若い頃を知り読む順番を決める基礎知識
まずは、塩野七生さんという作家がどのようにして誕生したのか、その背景にある「若い頃」のエピソードから紐解いていきましょう。
彼女の作品が持つ独特の魅力や、多くの読者を惹きつけてやまない理由は、その経歴と執筆スタイルに隠されています。
イタリアへ単身渡った若い頃とデビュー作の衝撃
塩野七生さんのキャリアを語る上で欠かせないのが、1960年代に単身イタリアへ渡ったという事実です。
まだ1ドル360円の固定相場制で、海外旅行が一般市民にとって高嶺の花だった時代。
女性が一人で海外へ渡る、しかも「遊学」という形で特定の組織に属さずに生活するというのは、極めて冒険的な決断でした。
この「若い頃」の自由な精神こそが、彼女の作品に通底する力強さの源泉になっているといえます。
当時の一般的な価値観とは異なる選択として、単身でイタリアへ渡った点は印象的です。
1968年に発表されたデビュー作『ルネサンスの女たち』は、従来の歴史小説とは異なる視点が注目され、評価されました。
それまでの歴史小説といえば、史実を重んじるあまり堅苦しくなるか、あるいはフィクション性が強すぎるものが多かった中で、彼女の作品は歴史的な事実をベースにしつつも、まるでその場に居合わせたかのような臨場感がありました。
現代的な感性で人物を描き出していたからです。
イタリアに住み、現地の空気を吸いながら書かれた文章には、書斎の中だけでは生まれないリアリティが宿っていました。
学習院大学哲学科で学び、若い頃に培った歴史を見る独自の視点
塩野七生さんの作品を読む順番を考えるうえで重要なのが、彼女がどのような「若い頃」を過ごし、どんな視点を身につけた作家なのかを知ることです。

意外かもしれませんが、塩野七生さんの出身は史学科ではなく、学習院大学文学部哲学科です。
歴史作家の多くが史料研究を専門とする中で、哲学を学んだという経歴は、彼女の作品スタイルに大きな特徴を与えています。
史学的アプローチが、史料を積み重ねて事実関係を整理していく手法だとすれば。
塩野さんの視点は「人間とは何か」「権力はなぜ生まれ、なぜ機能するのか」といった根源的な問いから歴史を読み解くものです。
出来事を年代順に追うだけでなく、「なぜその人物はその決断をしたのか」という“Why”を重視する姿勢は、学生時代に培われた哲学的思考の影響といえるでしょう。
こうした思考法は、1960年代に若い頃の塩野さんが単身イタリアへ渡り、現地で歴史と向き合うようになってから、さらに磨かれていきました。
書物の中だけでなく、都市や遺跡、人々の暮らしを通して歴史を体感した経験が、後の『ローマ人の物語』をはじめとする作品群のリアリティにつながっています。
塩野七生作品は、この「若い頃に形成された視点」を理解してから読むことで、単なる歴史解説ではなく、人間と組織の物語としてより深く楽しめます。
そのため、読む順番を考える際にも、この背景を踏まえて作品を選ぶことが、挫折しないコツといえるでしょう。
若い頃から一貫する、作品本位の執筆姿勢
塩野七生さんは、作家として自らの立場や私的な背景を前面に出すことなく、あくまで「作品そのもの」で評価される姿勢を貫いてきました。
エッセイなどにおいても、個人的な出来事より歴史や人間、社会の構造について語ることが多く、そのスタンスは若い頃から一貫しています。
イタリアという異文化の地で長年にわたり歴史と向き合い、膨大な資料を読み込みながら執筆を続けてきた経験。
それは彼女の作品に、独特のリアリティと説得力を与えています。
作者自身を語らずとも、作品を通して思想や価値観が自然と伝わってくる点は、塩野作品の大きな特徴といえるでしょう。
こうした姿勢を理解したうえで読むと、『ローマ人の物語』をはじめとする作品群は、単なる歴史解説ではなく、人間と組織を描いた物語として、幅広い視点から楽しめます。
代表作『ローマ人の物語』を執筆した動機と情熱
彼女の代名詞とも言える『ローマ人の物語』は、1992年から2006年にかけて、1年に1冊のペースで刊行され続けた記念碑的なシリーズです。
この大事業に着手した動機について、彼女は「ローマ帝国という巨大なシステムが、なぜ一千年も続いたのか」という疑問を解明したかったと語っています。
また、彼女自身が「理想の男性」と公言するユリウス・カエサル(シーザー)の生涯を描きたいという強い情熱も執筆の原動力でした。
単なる歴史の教科書ではなく、リーダーシップ論や組織論、そして人間の業を肯定する物語として描かれたこの作品。
日本のみならず韓国や中国などアジア各国でもベストセラーとなり、歴史小説としてだけでなく、組織やリーダーシップを考える視点から読まれることもあります。
これだけの長編作品を読む際、集中力が続かずに悩んでしまう方は、環境を見直してみるのも一つの手です。
読者からの評判が高いおすすめランキング上位の代表作
塩野作品の魅力は『ローマ人の物語』だけではありません。
読者からの評価が高く、特におすすめしたい作品をいくつか挙げてみます。
| 順位 | 作品名 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| 1位 | ローマ人の物語 II ハンニバル戦記 | 戦記としての完成度が高く、読者からの評価が高い。 |
| 2位 | コンスタンティノープルの陥落 | 歴史の転換点をドラマチックに描いた初期の傑作。 |
| 3位 | チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 | マキアヴェッリがモデルとした英雄の鮮烈な生涯。 |
これらは、どれも独立した作品として楽しめるため、長いシリーズに手をつける前の「お試し」としても最適です。
特に『コンスタンティノープルの陥落』はページ数も手頃で、塩野節の真髄を味わえる一冊として人気があります。
もし、日本の歴史小説にも興味があるなら、司馬遼太郎作品と比較して読むのも面白いでしょう。視点の違いがよくわかります。
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全巻を文庫本で揃える場合の冊数と費用の目安

『ローマ人の物語』に挑戦しようと思った時、気になるのがそのボリュームと費用ですよね。
単行本(ハードカバー)では全15巻ですが、文庫本版では細かく分冊されているため、巻数が異なります。
- 文庫本版の総数:全43巻
- 新品で購入する場合:1冊あたり700円〜900円前後になることが多く、全巻を揃えると3万円〜4万円程度が目安です(※価格は購入時期や販売店によって変動します)。
- 中古で購入する場合:状態や欠巻の有無によって幅がありますが、タイミングによっては全巻セットが比較的安価で見つかることもあります。
全43巻となると本棚のスペースもかなり必要になります。
「部屋に置く場所がない」「持ち歩いて読みたい」という方は、電子書籍版を検討するのも賢い選択です。
電子書籍リーダーを使えば、全巻を持ち運ぶことができ、文字サイズも調整できるので快適ですよ。
※中古市場では価格差が大きいため、状態や在庫を確認しながら検討すると安心です。
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塩野七生作品の挫折しない読む順番と若い頃からの軌跡
ここからは、実際に塩野作品を読み始める際のおすすめルートを提案します。
「第1巻から順番に読むべき」という固定観念を捨てることが、塩野ワールドを楽しむ最大のコツかもしれません。
初心者は『ハンニバル戦記』から読むのがおすすめ

多くのファンや書評家が口を揃えて言うのが、「まずは『ハンニバル戦記』から読め」というアドバイスです。
これは単行本では第2巻にあたりますが、文庫本では第3巻『ハンニバル戦記(上)』から第5巻『ハンニバル戦記(下)』にあたります。
第1巻を飛ばしてここから読み始めても全く問題ありません。
なぜ第1巻から読まなくていいのか?
第1巻『ローマは一日にして成らず』は、建国神話から共和政への移行期を描いており、資料が少ないためか記述がやや教科書的。
登場人物も次々と入れ替わるため感情移入しにくいという側面があります。
対して『ハンニバル戦記』は、「ポエニ戦争」という明確なクライマックスがあり、ストーリーとしての完成度が段違いです。
カルタゴの名将ハンニバルとローマ共和国との死闘を描いたこの巻は、シリーズ中で最もスリリングでエンターテインメント性が高いパートです。
アルプス越えやカンナエの戦いなど、手に汗握る展開が続き、ページをめくる手が止まらなくなることでしょう。
ここで「ローマって面白い!」という感覚を掴んでから、第1巻に戻って建国の歴史を学ぶのが、挫折しない黄金ルートです。

カエサルが登場する第4巻と第5巻だけを読む選択肢
さらにピンポイントで楽しみたい方には、ユリウス・カエサル(シーザー)が活躍するパートだけを読む、という大胆な「つまみ食い」もおすすめです。
単行本では第4巻・第5巻ですが、文庫本では第8巻『ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)』から第11巻『ユリウス・カエサル ルビコン以後(下)』までの計4冊に相当します。
塩野七生さんが最も愛し、最も筆が乗っているのがこのカエサルのパートです。
「賽は投げられた」「来た、見た、勝った」といった名言が生まれた背景や、カエサルの天才的な知略、そして人間的な魅力が余すところなく描かれています。
カエサルは軍事だけでなく政治面でも影響力を持ち、敗者に対して寛容策を取った点など、多面的な人物として描かれています。
ここだけ読んでも一つの長編小説として完成度が高く、リーダーシップ論としても非常に学びが多いセクションです。
カエサルがいかにして古い共和政システムを打破し、新しい帝政への道を切り開いたかを知ることは、現代の組織変革にも通じる知見を与えてくれます。
『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』の魅力
ローマ時代から少し時代を下って、ルネサンス期に興味があるなら、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』が外せません。
この作品は、ニコロ・マキアヴェッリが『君主論』のモデルとした人物、チェーザレ・ボルジアの生涯を描いたものです。
冷徹でありながら合理的、そしてどこか儚さを感じさせるチェーザレの生き様は、現代社会で戦う私たちにも強烈なインパクトを与えます。
「結果を出すためには手段を選ばない」というマキアヴェリズムの真髄を、物語を通して体感できる一冊です。
ローマ教皇の息子として生まれながら、自らの力で運命を切り拓こうとした青年の野望と挫折は、青春小説としての側面も持っています。
『海の都の物語』でヴェネツィアの歴史を深く知る
『ローマ人の物語』と並ぶ代表作とされるのが、『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年』です。
この作品では、資源を持たない小さな都市国家ヴェネツィアが、いかにして地中海の覇者となり、そして衰退していったかを描いています。
特筆すべきは、国家の「システム」に焦点を当てている点です。
優れた外交手腕や情報収集能力、そしてリーダー選出のメカニズムなど、組織運営の教科書としても読める深みがあります。
ローマ陸軍の重厚さとは対照的な、ヴェネツィア海軍の軽やかで知的な戦いぶりを楽しみたい方におすすめです。
特に、国家の利益のためなら宗教的対立さえも乗り越えてしまう彼らのプラグマティズム(実用主義)は痛快です。
『男たちへ』のエッセイから学ぶリーダーシップ論
歴史小説は少しハードルが高い、と感じる方は、エッセイ集『男たちへ』から入るのも良いでしょう。
この本では、塩野さんが歴史上の男たちを通じて見出した「いい男の条件」や、組織の中での振る舞い方、リーダーシップの本質などが語られています。
ユーモアを交えつつもピリリと辛口なアドバイスは、ビジネスパーソンにとっての処世訓としても非常に有用です。彼女の「人を見る目」の鋭さを手軽に味わえる作品です。
「男は、自分の美学のためには死ねる生き物である」といった、彼女独特のダンディズム論は、男女問わず多くの読者を魅了しています。
歴史の知識がなくても、人生論として楽しめる間口の広さが魅力です。
近年の作品『ギリシア人の物語』と『十字軍物語』
『ローマ人の物語』完結後も、塩野さんの創作意欲は衰えを知りません。
『ローマ人の物語』の前日譚とも言える『ギリシア人の物語』や、中世ヨーロッパとイスラム世界の衝突を描いた『十字軍物語』など、歴史の空白を埋めるような大作を次々と発表されています。
特に『十字軍物語』は、宗教対立という現代にも通じる重いテーマを扱いながらも、登場人物たちのキャラクターが際立っており、非常に読みやすい構成になっています。
ローマ時代を読み終えた後の「ロス」を埋めるには最適のシリーズと言えるでしょう。
近年も、知的好奇心の最前線を走り続ける彼女の筆力には、ただただ圧倒されるばかりです。
まとめ:塩野七生の若い頃に触れて読む順番を決める
塩野七生さんの作品は、単なる歴史の記録ではなく、彼女自身の「若い頃」からの哲学と、人間への深い洞察が込められた「人間ドラマ」です。
全巻読破を目指して気負う必要はありません。
まずは『ハンニバル戦記』やカエサルの物語など、自分が興味を持てそうなところから手に取ってみてください。
彼女がイタリアで見て、感じて、考え抜いた歴史の景色は、きっとあなたの現代社会を見る目をも変えてくれるはずです。
まずは一冊、ページを開いて、時空を超えたローマの旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。

- ※補足
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